マネージド・エージェント実行基盤

対象本文

序章で並べたAmazon Bedrock AgentCore、GoogleのAgent Runtime、Microsoft Foundry Hosted Agents、Cloudflare Agentsを補います。第10章の耐久実行機構とは、同じ製品内で連携していても別の責任境界です。新4.7の「実行面の外部化」(Devin Outposts)も、この四社の統合方向と対にしてここで扱います。

収集方法

2026年7月10日に各社の現行公式ドキュメントで、実行単位、状態の置き場所、隔離、身元、長期処理の分担を比較しました。名称変更は旧称を正本にせず、現行名と後方互換API名を記録しています。2026年7月22日に、Cognitionの発表ブログ、Devin公式ドキュメント、Cloudflareの公式チュートリアルでDevin Outpostsの構成を確認しました。

現在の答え

四社は、モデルを呼ぶSDKだけでなく、セッション、状態、身元、観測、長期処理をマネージドな実行面へ集める方向へ進んでいます。共通するのは「agent」という名前ではなく、要求一回より長い論理的な仕事を、分離された実行単位と外部の状態へ結ぶことです。

提供者実行と隔離状態・生涯周辺境界
AWSAgentCore RuntimeはruntimeSessionIdごとに専用microVMを割当computeは既定15分のidleまたは最大8時間で停止。同じsession IDの次回要求は新しいcomputeを起こせる。session storageとMemoryは別機能IAM/OAuth入口、AgentCore Identity、Gateway、Code Interpreter等を組合せる
Google CloudGemini Enterprise Agent PlatformのAgent Runtimeがコンテナ化したagentを配備・scaleSessions、Memory Bank、Code Executionを独立サービスとして組合せる。API資源名ReasoningEngineは後方互換で残るIAM agent identity、Agent Gateway、PSC、Trace/Logging/Monitoringを分離して選べる
MicrosoftFoundry Hosted Agentsは利用者のcontainerをMicrosoft管理基盤で実行し、sessionごとのVM-isolated sandboxを使う会話履歴はconversation、$HOME/filesはsessionの永続面。idle後のscale-to-zeroから状態を復元agentごとのEntra identity、Responses/Invocations/WebSocketのprotocolを提供
CloudflareAgentはDurable Objectの長命な論理IDとして動き、組込みSQLiteで状態を持つイベントで起き、非活動時はメモリから退く。長い再試行・待機はWorkflowsへ分けるWebSocket/HTTP streamingはAgent、耐久stepと外部event待ちはWorkflow

差は、どこを「agentの正本」とみなすかに現れます。AWSはsession IDと専用microVMの対応を強く見せます。Googleはruntime、session、memory、sandbox、gatewayを組合せるプラットフォーム境界です。Microsoftは持込みcontainerと会話・filesystemのsessionモデルを組み合わせます。CloudflareはDurable Objectの論理IDを中心に、対話と耐久workflowを役割分担させます。

したがって、四社を「長生きする同じコンテナ」とまとめることはできません。computeが入れ替わってもsessionが続く設計、session filesystemが復元される設計、論理objectの状態がstorageへ残る設計は、似た利用体験に向かう別の実行モデルです。

逆向きの分業——エージェント事業者による実行面の外部化

四社が「agentを持ち込ませて実行面ごと預かる」統合だとすれば、agentの頭脳を預けたまま実行面だけを持ち込ませる逆向きが、Cognitionが2026年7月21日に発表したDevin Outpostsです。

本文第4章のサンドボックス比較は、この分業の下では「他社エージェントの実行面をどの基盤で受けるか」という調達の比較としても機能します。

一次資料

既知の未知

変更履歴